1999年のカナダで行われた研究では、大麻の依存症は他の薬物に比べて高くはなくタバコ、アルコール、ヘロインより弱いとされている[115]。また、国境なき医師団の創設者として知られるフランスの医者で政治家のベルナール・クシュネルは、ピエール・ベルナール・ロック博士の監修の下、1998年に政府報告をまとめ、中毒性と神経毒性によってドラッグのクラス分けを行った。結果、最も中毒性が高く、かつ致命的なクラスとして、ヘロイン、コカイン、アルコール。中間クラスとして、ベンゾジアゼピン、ハルシノゲン(当時における幻覚剤の総称)、タバコ、大麻を最も危険性の低いクラスとした。
疫学的には、1994年のECA Studyで米国北部で調査された2万人のうち4.4%が大麻を常用し、その約5分の3が大麻依存状態であるとしている[116]。
1994年に改定された精神医学の診断指針である 『精神障害の診断と統計の手引き』第四版により、薬物依存症の概念は変革を迎えた[16]。第四版における薬物依存の診断には、身体依存を必要とせず、既存の依存の考え方を改定する物であり、それ以前までは、大麻による依存の定義は確立していなかった。これにもとづく新たな依存(精神依存)の考え方のもとで大麻の依存は研究されることとなり、大麻が依存を起こすことの実験的証明は、主に2000年代に入って行われるようになった。
退薬症候群 [編集]
2001年に行われた大麻を過去6ヶ月間、最低1ヶ月に25日・1日平均3.3回使用している重度常用者12人[118]に大麻摂取を断たせた研究[119]では、劇的な身体症状は診られず、アルコールや阿片の禁断症状よりも軽いとしておきながらも、総合的に食欲が落ち、睡眠障害、そわそわ・いらいら、攻撃性亢進といったニコチンの禁断症状と同様の気分障害が見られ、大麻摂取でそれらは消失し、禁断症状発症率は、95%信頼区間で78%以上であった。これらのことや他の複数の研究[120][121][122]から、大麻常用者は実験的に高率に禁断症状を発症しうると考えられている。また、2008年1月に大麻(最低1ヶ月25日以上常用)とタバコ(最低1日10本以上常用)を常用している12人を対象にし、5日間かけて行った研究[123]では、大麻とタバコの併用者で大麻使用を断った場合は睡眠障害が多く、タバコの中断では不安や攻撃性亢などの気分障害が多く見られた。
大麻の禁断症状は外見で分かるような症状は極めて稀であり、長期常用者に限られている。また、アルコールやヘロインなどの身体的に顕著な禁断症状を伴う薬物に比べて「穏やかで期間も短く、一旦止めたユーザーが再び始めようとする誘惑もあまり起こらない」[34]としている。これは、ヘロインやアルコールなどの禁断症状の起こりやすいドラッグでは数時間から数日で代謝物が体外に排出されるのに対して、大麻の代謝物の場合は排出されるのに数週間かかることも関係していると言われている。また、大麻による禁断症状が稀であるために治療方法が確立していないが、近年の研究でリチウムを使った治療方法が有力視されている[124][125][126]。
薬物検査(ドラッグテスト) [編集]
大麻の検査方法は尿・血液・毛髪・唾液と4つの検査方法がある。主には尿検査で行われることが多く、大麻成分の検出期間は使用頻度に比例して、最低で48から72時間、最大で12週間は検出可能とされている。また、簡易検査(スクリーニング・テスト)と精密検査がある。簡易検査では扱いが容易で安価な酵素増倍免疫測定法(EMIT)が用いられ、陽性闘値は50ng/mlと高く設けられている。精密検査ではガスクロマトグラフィーと質量分析 (GCMS) による検査が1日から数日間掛けて行われ、陽性闘値は15ng/mlと低い数値でも陽性と判断することが可能である。大麻陽性反応は医薬品のドロナビノール(マリノール)を服用していた場合でも出る。
アメリカでは、連邦政府が強制的な実施指導方針を職場の薬物検査に設けており、検査の実施場所や担当係員、実施方法などについて詳細に定めている[127]。現在、日本では薬物検査の方法に対して法律などによる規定はない。
最近では、尿の検査キッドにて多くの欠陥が発見され指摘されている。
日本の状況 [編集]
日本では数多くの通称、隠語が存在し、一般的なマリファナ、ガンジャの呼称のほかに、葉っぱ、草、グラス、ハーブ、ウィード、梵(ぼん)などと呼ばれる。
日本国内で栽培される大麻のほとんどが栃木県産で、その用途は主に麻布であり、トチギシロ(栃木白)という改良品種である。この品種はTHCをほとんど含んでいないとされている。栃木県はトチギシロの種子の県外持ち出しを禁止している。
大麻は北海道では雑草に混じって普通に自生している。だが野生のものであっても違法であるので、葉っぱ1枚でも採取をしてはいけない。警察は大麻が自生している土地の所有者に除草を呼びかけているが除草されることは極めて稀だという。また、大麻は北海道に限らず、日本各地に自生しており、毎年、各地域の保健所や自治体によって自生大麻の刈り取りなどの撲滅活動を行っている。その弊害としてアサカミキリといった昆虫が環境省の準絶滅危惧に指定されるなどの生態系に影響を及ぼしている。
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